一般財団法人日本交通安全教育普及協会

その9.高校生と運転免許制度(2年)

指導項目

1.運転免許制度の持つ意義(15分) 2.運転者の義務(20分) 3.運転者の責任(15分)

指導のねらい

1.運転免許制度の意義と運転免許の種類について理解させる。 2.運転免許証を取得した場合、運転者としての義務と責任を自覚することが重要なことを理解させる。

-進め方-

1.運転免許制度の持つ意義(15分)

◆学習内容

・運転免許制度について理解する。  (1)運転免許制度の歴史。   →車社会の発達と運転免許制度の変化を簡単に学ぶ。  (2)運転免許の種類や取得方法。   →免許区分と取得年齢を学ぶ。  (3)無免許運転の危険について話し合う。

●指導上の留意点

・車社会の発達と免許制度の変化についてのプリントと運転免許の種類と保有者の年齢構成グラフのプリントを配布する。 ・免許有無別死亡事故率のグラフをもとに、無免許運転の危険を理解させる。  →一人よがり、自己流の運転をする。  →交通ルールを正しく理解していない。  →運転中、心理的に不安定になり判断力、感知力、危険予知能力に欠ける。  →不慣れな運転である。  →万一の場合、十分な賠償ができない。

2.運転者の義務(20分)

◆学習内容

・運転者の義務について話し合う。  (1)考えつく事柄を自由に発言する。  (2)話し合いをもとに同類の項目をまとめる。   ①無免許運転の禁止   ②酒気帯び運転の禁止   ③過労運転の禁止   ④最高・最低速度の遵守   ⑤安全運転の義務   ⑥車両検査を受ける義務   ⑦自動車損害賠償責任保険の加入

●指導上の留意点

・生徒の発言を板書し、同類項目をまとめる。 --無免許運転とは---------------- 無免許運転の禁止(6月以下の懲役又は5万円以下の罰金)無免許運転とは次のことをいう。 ①全く免許を受けないで運転 ②試験合格者が免許証交付前にした運転 ③3年間の有効期間の過ぎた免許証で運転 ④交通違反などで免許を停止、仮停止された者の運転 ⑤免許の取り消しを受けた者の運転 ⑥その免許で運転できない自動車の運転(免許外運転という)

3.運転者の責任(15分)

◆学習内容

・運転者にはどのような責任があるか話し合う。  (1)考えられる責任を列挙する。   ①人命尊重   ②交通法規の遵守   ③互譲の精神   ④他者への配慮  (2)事故と3つの責任を理解する。   →民事責任   →刑事責任   →行政責任

●指導上の留意点

・運転免許を取得することで、重い責任と義務を負わねばならないことに気づかせる。 ・高校卒業後に重大事故に遭うケースが多いことを統計資料より自覚させ、運転者としての心構えを十分に話し合わせる。

この指導事例は月刊誌「交通安全教育」の中の“教育現場ですぐに役立つ展開例”をもとに当協会においてインターネット向けに再編集したものです。詳しくは同誌1997年12月号をご覧下さい。

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