一般財団法人日本交通安全教育普及協会

その10.自転車事故がもたらすもの(3年)

指導項目

1.自転車による色々な事故 2.事故が及ぼす影響 3.事故の責任と補償 4.弱者にやさしい自転車走行

指導のねらい

自転車乗用中の事故の状況と、事故を起こした時の責任と補償について理解するとともに、事故が及ぼす様々な影響を考え、自転車の思いやり走行ができるようにさせる。

-進め方-

1.自転車による色々な事故

◆学習内容

・自転車による事故の現状についての事例や調査結果を発表する。  →自損・被害・加害事故で、どの事故が一番多いか。  →それぞれの事故原因は。〈自転車による事故の現状-調査対象2,873人〉  *自損事故505件  *被害事故189件  *加害事故77件

●指導上の留意点

・件数が多い自損事故や被害事故に目が行きがちであるが、  本時については加害事故に焦点を当てるようにする。 〈事故原因ワースト3〉 

1位 2位 3位
自損事故 スピードの出し過ぎ 周りを見ていなかった ふざけて乗っていた
被害事故 周りを見ていなかった スピードの出し過ぎ 一時停止をしなかった
加害事故 周りを見ていなかった スピードの出し過ぎ 並列走行

2.事故が及ぼす影響

◆学習内容

・事故に伴う、被害者と加害者双方の立場について話し合う。  →被害者とその家族・加害者とその家族の立場になってロールプレーする。

●指導上の留意点

・それぞれの立場での主張を述べさせるとともに、相手の立場になった感想を述べさせ、被害者の気持ちを理解させる。

3.事故の責任と補償

◆学習内容

・自転車事故の責任と補償について調査した内容を発表し合い、理解する。  →車両としての自転車  →刑事責任と民事責任  →未成年者の責任能力  →親権者の損害賠償支払い  →自転車に関する保険制度

●指導上の留意点

・自転車も車両に含まれ、自動車と同じように刑法、民法により処罰や賠償があることを理解させる。 ・加害事故を未成年者が起こした場合は、その責任は親権者にあることを理解させる。 ・保険制度については紹介する程度にし、別の時間で十分に指導することが望まれる。

4.弱者にやさしい自転車走行

◆学習内容

・歩行者(特に幼児・高齢者)にやさしい自転車走行の仕方について個々に考える。  →「私の思いやり走行3カ条」にまとめる。

●指導上の留意点

・中学生も交通事故の加害者になり得ることを自覚させ、歩行者保護の立場に立って考えさせる。

この指導事例は月刊誌「交通安全教育」の中の“教育現場ですぐに役立つ展開例”をもとに当協会においてインターネット向けに再編集したものです。詳しくは同誌1998年1月号をご覧下さい。

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