一般財団法人日本交通安全教育普及協会

幼児はチャイルドシートに座らせよう

事故の概要

金曜日の雨の日の夜、Aさんは地方の勤務先から東京の自宅に帰るため、高速道路の 追い越し車線を時速120kmで走っていた。Aさんは濡れた路面でハンドル操作を誤って スリップし、走行車線を走っていた軽自動車に斜め後方から衝突した。軽自動車には、 母親と子供2人の3人が乗っていたが、後部座席で兄に抱かれていた3歳の女の子が衝 突の衝撃で車外に放出され、全身を路面に叩き付けられたショックで死亡した。

事故の原因

事故の原因は、Aさんが濡れた路面でハンドル操作を誤ったことである。雨の日の夜間 という悪条件下にもかかわらず、制限速度を超えて走っていたところにも問題があったと 考えられる。しかし、もし女の子がチャイルドシートに座るなどしていれば、女の子は車 外放出されずにすみ、事故による傷害はもっと軽くすんだのではないかとも考えられる。

この事故から学ぶこと

四輪車同乗中に交通事故にあって死亡した人のうち、約80%がシートベルト非着用であ るが、そのうちの20%近くが衝突の衝撃により車外に放出されている(警察庁統計による)。 子どもは嫌がるかもしれないが、幼児を車に同乗させる時は、チャイルドシートに座らせ るのがよい。自分が事故を起こした時はもちろん、思わぬ事故に巻き込まれた時のために、 防衛策を講じておくことは重要である。

No.372 1997年 4月号

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