通学途中に信号無視のトラックと衝突して死亡した高校生の事例
事故の概要
平日の朝8時過ぎ、高校生のA君はいつものように自転車に乗って学校へ向かっていた。学校に行くには交通量の多い幹線道路を横切る必要があった。幹線道路を横断する交差点に差し掛かったところ、信号が青だったので、A君は信号に従って横断を開始した。その時、Bさんの運転するトラックが時速70kmで交差点に接近して来た。Bさんのほうの信号は赤だったにもかかわらず、Bさんは速度を落とさずに交差点に進入した。トラックと自転車は衝突し、A君は頭を強く打ち、搬送された先の病院で死亡した。
事故の原因
事故現場付近の道路は広い直線道路であり、双方からの見通しは良かった。また、A君がBさんのトラックと衝突した場所は自転車横断帯の上であった。A君のほうに落ち度はなく、Bさんが信号無視をしたことが事故の原因であることは明らかである。
この事故から学ぶこと
自転車に乗っている人が死亡した事故のうち、信号無視や一時停止無視の車に自転車がひかれた事故は約5%である(一方、自転車のほうが信号無視や一時停止無視をした事故は約18%である)。青信号に従って道路を横断する場合にも、左右から接近して来る車の動きを確認してから横断を開始するように心掛けたい。「青信号だから大丈夫だ」とか、「相手が止まるはずだ」という考え方は危険である。防衛的な行動を心掛ける必要がある。
No.380 1997年 12月号
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