Y字交差点で発生した高齢歩行者の事故
事故の概要
平日の朝8時頃、Aさん(74歳)は、自宅近くのY字交差点を横断しようとしていた。ちょうどその時、Bさん(19歳)が運転する乗用車がこのY字交差点を右折しようと横断中のAさんのほうに近づいてきた。Bさんは、Aさんに気づくのが遅れ、慌てて急ブレーキを踏んだが間に合わずAさんと衝突した。この事故によりAさんは死亡した。
事故の原因
Bさんが、安全確認を十分せずに右折を開始したことが事故の原因である。また、Aさんの位置からは、対向して右折してくるBさんの乗用車がよく見えたと考えられるが、避けることができなかったらしい。
この事故から学ぶこと
歩行者事故に限って言うと、現在、最も深刻な問題は高齢歩行者の死亡事故である。歩行者事故による死者全体の約40%を高齢歩行者が占めている。 高齢者の歩行者事故が多い原因として、「安全を十分確認しないで道路を横断する」、「危険をすばやく回避できない」などが考えられる。また、高齢者は車と衝突した時に死亡しやすい(衝撃耐性が低いという)ため、ひとたび事故が起きると重大事故になりやすい。 高齢者は、事故の結果がしばしば重大になることを頭に入れ、無理な横断等の危険な行動を若い人以上に慎まなければならない。また、車を運転する人は歩いているお年寄りを見たら十分注意して走行する必要がある。
No.382 1998年 2月号
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