若者と危険予測
事故の概要
平日の夕方、高校生のA君は、250ccのオートバイに乗って片側1車線道路を走行していた。オートバイの前には、ゆっくり走っている軽自動車(B車)があったが、軽自動車がさらに速度を落としたため、A君は追い越しをしようと考え速度を上げて、対向車線に出た。B車が速度を落としたのは、脇道に右折して入ろうとしたためであった。B車が右折を開始してA車の進路をふさいだのでA君は慌ててブレーキをかけたが、間に合わず、B車の右後部側面に衝突した。
事故の原因
A君がB車を無理に追い越そうとしたことが事故の原因である。B車が減速したのを見て、B車が右折するのではないかと予測できなかったことが、この事故の発生した最も大きな原因であると考えられる。
この事故から学ぶこと
経験の少ない運転者は、走ったり曲がったりすることはそれなりに上手であっても、危険を予測しながら運転することは苦手なようだ。また、自分の運転行動がどの程度危険であるかを正しく自己評価できない傾向がある。事故に遭わないためには、次にどのような危険が待っているかを予測しながら運転することが大事である。特に二輪車は素早く加速できるために、追い越しをしたり速度を出し過ぎたりするなどの無理な運転をしがちである。加速や追い越しをする前に、その運転行動の危険性を考えながら注意深く運転したい。
No.393 1999年 1月号
一覧へ戻る