高齢運転者に多い事故原因
事故の概要
日曜日の午後3時頃、Aさん(67歳)は自分の乗用車に家族3人を乗せてドライブの途中だった。直線道路を走行していたところ、車は突然センターラインをはみ出した。ちょうど、大型トラックが対向して走って来て、Aさんの乗用車は大型トラックと衝突した。この事故により、Aさんと、後部座席に同乗していたAさんの母親が死亡した。
事故の原因
Aさんがセンターラインをはみ出したのが、この事故の原因である。しかし、Aさんがなぜセンターラインをはみ出したのか明らかでない。助手席に乗っていた家族の証言によると、車が突然対向車線の方に寄っていったという。この家族の話によると、なぜ、センターラインをはみ出したかは分からないが、おそらく、一瞬頭がボーッとしたのではないかという。
この事故から学ぶこと
高齢運転者の事故原因を調べると、最高速度違反などの無謀運転が原因の事故は少ない一方で、前方不注意やハンドル操作不適などによる事故が多い。事故事例を調べてみると、どうして、このような状況下においてこのような運転行動をしたのか理解しかねる事故が少なくない。安全だと思う状況でも気を抜かずに運転する必要があると考えられる。 また、Aさんは、これまで事故・違反歴がほとんどない優良運転者で、普段から慎重な運転ぶりだったという。長年、事故や違反を起こした経験がない場合でも、年をとったらより注意深い運転を心がけたいものである。
No.389 1998年 9月号
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