高校生と二輪車事故
事故の概要
平日の午後6時頃、高校生A君(17歳)は、50ccのオートバイに乗ってアルバイト先へ 向かっていた。信号機のある交差点に差しかかった時、A君の進行方向の信号は黄色から赤に変わったところだったが、A君は交差点に進入した。一方、交差している道路で信号待ちをしていたBさん(50歳)は、信号が青に変わるのを見て発進した。A君はBさんの乗用車を発見してブレーキをかけたが間に合わず、2台は衝突した。この事故によりA君は頭を強く打って死亡した。事故の時、A君はヘルメットを自分のオートバイに積んでいたが、頭にかぶっていなかった。
事故の原因
赤信号であったにもかかわらず、A君が交差点に進入したことが事故の第一の原因である。事故の時、A君はアルバイトの開始時間に遅れないように先を急いでいたらしいが、A君は死亡しているので、A君が信号を見落としたのか、赤信号を承知で交差点に進入したのかははっきりしない。一方、Bさんのほうも交差道路から車が来ないかを確認してから発進すべきであったといえる。また、A君がヘルメットを着用していなかったことも事故による被害を大きくした要因といえる。
この事故から学ぶこと
二輪車事故は、高校生くらいの年代の若者に多い事故形態である。交通事故により死亡した16~19歳の者のうち47%が二輪車事故(原付を含む)により死亡している。若い運転者は無理な運転をしがちである。二輪車を運転する時は、交通法規を守り、余裕を持った運転を心がけたい。また、ヘルメットを正しく着用することは、万一の事故の時に、被害を軽減する効果があることを忘れてはならない。
No.390 1998年 10月号
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