一般財団法人日本交通安全教育普及協会

チャイルドシートの被害軽減効果

事故の概要

休日の夕方、Aさん(31歳)が運転する普通乗用車は、片側2車線の国道を走行していた。後部座席にはAさんの友人が同乗しており、助手席にはAさんの1歳になる子供がチャイルドシートに着席して乗車していた。Aさんの車が、ファミリーレストランやディスカウントストアなどが沿道に並ぶ地域に差しかかった時、対向車線を走っていたBさん(19歳)の運転する乗用車が、他の車両を避けようとしてハンドル操作を誤り、センターラインをオーバーしてきた。AさんもBさんも回避操作をすることができずに、2台の乗用車は衝突した。この事故により、Aさん、Aさんの車の同乗者及びBさんの3人が軽傷及び重傷を負ったが、チャイルドシートに座っていた1歳の子供にはケガはなかった。

事故の原因

Bさんがハンドル操作を誤り、センターラインをはみ出したことが事故の原因である。他の乗員がケガをしたのに子供が無傷ですんだのは、チャイルドシートに着座していたからだと考えられる。

この事故から学ぶこと

欧米ではチャイルドシートの普及が進んでいるが、残念ながら日本では、その普及はまだまだ進んでいない。チャイルドシートを車に装着していても、子供が嫌がるなどの理由により、実際に使っていない人も少なくないようだ。チャイルドシートなしで子供を車に乗せる危険性を理解し、チャイルドシートに必ず着座させるようにしたい。また、チャイルドシートに正しく着座することを子供に教えることは、大人になった時にシートベルトを正しく着用する習慣の基礎になると考えられる。

No.391 1998年 11月号

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