飲酒運転事故
事故の概要
平日の夜半近く、Aさん(51歳)が運転する普通乗用車は、片側1車線の県道を走行していた。右カーブに差し掛かった時に、Aさんは「大したカーブではない」と判断し、減速しないでカーブに進入した。しかし、このカーブは、Aさんが考えていたよりも急カーブであったため、Aさんはカーブを曲がりきれずに道路際の建物に衝突した。事故後にAさんの呼気を調べたところ、Aさんはかなり酒を飲んでいたことが分かった。
事故の原因
Aさんが、カーブの曲がり具合についての判断を誤ったことが事故の原因であるが、酒を飲んでいて思考力が鈍っていたため、適切な判断ができなかったと考えられる。
この事故から学ぶこと
飲酒運転事故は夜間に多い事故形態である。死亡事故を起こした運転者の中で飲酒ありと判断された運転者の割合は、夜間では23%に達しており、夜間に発生する交通事故の約4分の1は、飲酒がらみの事故であるといえる。酒を飲むと、判断に誤りが生じやすくなったり、判断に要する時間が長くなったり、警戒心が薄れて危険な運転をしやすくなるなどの特徴が現れる。これらのことが飲酒運転事故の原因になっていると考えられる。検問で警察官に捕まるか捕まらないかの問題ではなく、酒を飲んだ後に軽い気持ちで運転することが重大な結果を招くことをよく認識する必要がある。
No.392 1998年 12月号
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