一般財団法人日本交通安全教育普及協会

チャイルドシートの着用効果

事故の概要

Aさんは、青信号で十字交差点に進入したところ、交差道路を進行して来たBさんの軽自動車と出合頭に衝突した。Aさんの乗用車は、衝突の衝撃で回転し、路側の電柱に衝突した後に道路中央付近に停止した。Aさんの乗用車の後部座席には、2歳の幼児がチャイルドシートを着用して乗車していた。この幼児は頭にケガをしたが軽傷であった。また、シートベルトを着用していたAさんも軽傷であった。

事故の原因

Bさんが、赤信号であるにもかかわらず、交差点に進入したことが、事故の原因であると考えられる。 Aさんの乗用車は、Bさんの軽自動車と衝突したときに車体の後部右側を、電柱と衝突したときに車体の後部左側を損傷し、車体の後部は大破した。後部座席に乗車していた幼児が軽いケガですんだのは、チャイルドシートを着用していたからだと考えられる。

この事故から学ぶこと

少し前までは、小さな子どもの交通事故は、歩行中の事故が多かったが、最近では自動車乗車中に事故に遭う幼児が多くなっている。自動車乗車中の幼児の死傷者は、最近5年間で3,000人以上も増加している。小さな子どもの命を守るためにはチャイルドシートの着用が必要なのはこの事例からも明らかである。なお、チャイルドシートは、正しい方法で使用される必要がある。チャイルドシートの85%以上が、正しく使われていなかったとの報告が日本と米国の両方のレポートにある。正しく使用しないと、事故のときに十分な効果が得られないのはいうまでもない。

No.402 1999年 10月号

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