衝突時の衝撃とチャイルドシート
事故の概要
RV車で高速道路を走行していたAさんは、考え事をしていたため、自車が左に寄っているのに気づかなかった。Aさんが気づいたときには、道路左側のクッションドラムに衝突する直前であった。RV車は、クッションドラムに衝突した後、ノーズレールに衝突して停止した。RV車の速度は時速約100Kmであったと考えられる。後部座席には、2歳の幼児が、チャイルドシート非着用で乗車していた。この幼児は、頭部に重傷を負った。この幼児は衝突の衝撃で、コンソールボックス(前席の前)に衝突し、このときに傷害を負ったと考えられる。
事故の原因
Aさんが、考え事をしていて、注意がおろそかになっていたことが事故の原因である。一方、幼児が重傷を負ったのは、この幼児がチャイルドシートをしていなかったためであると考えられる。チャイルドシートを着用していれば、少なくともコンソールボックスに頭をぶつけて頭部に傷害を負うことはなかったと考えられる。
この事故から学ぶこと
チャイルドシート非着用で死亡した幼児のうち、27%が車外放出、8%がフロントガラスやダッシュボードに体を衝突させている。衝突の衝撃は非常に強く、チャイルドシートをしていないと、幼児の体は遠くに飛ばされてしまう。とくに速度が出ている場合は、危険性が高くなる。 また、この幼児の母親の話によると、自分の車ではなかったのでチャイルドシートは着用していなかったという。他人の車に乗る場合も、チャイルドシートが必要なのは、言うまでもない。
No.408 2000年 4月号
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