携帯電話使用中の事故
事故の概要
Aさんは、大型トラックを運転して、交通量の多い国道を時速約50Kmで通行していた。携帯電話の着信音が鳴り出したため、Aさんは携帯電話を取ろうとして少しの間、脇見をした。そのため、赤信号で停止していた軽自動車に気づくのが遅れた。Aさんのトラックは軽自動車に追突し、軽自動車を前方に数m押し出して停止した。この事故により、Aさん自身には怪我がなかったが、軽自動車を運転していた女性と後部座席に同乗していた子どもが軽傷を負った。
事故の原因
Aさんが、携帯電話を取ろうとして脇見をしたことが事故の原因である。現場は、やや下り坂の直線道路で見通しもよく、前方を見て普通に運転していれば、追突するような状況ではなかった。
この事故から学ぶこと
道路交通法が改正され、携帯電話の使用中に道路における交通の危険を生じさせた者に対しては、交通事故に至らなくても違反点数と反則金(違反点数は2点、反則金は普通車の場合9,000円)が科せられることになった。携帯電話の使用中に発生した事故の中には、この事例のように着信時に脇見をして事故を起こす例が最も多い。中には、横断中の歩行者を死亡させる事故等の死亡事故も発生している。携帯電話が普及するに従って、携帯電話を車内に持ち込む人が増えているが、運転中は携帯電話の電源を切るように習慣づけたい。
No.405 2000年 1月号
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