一般財団法人日本交通安全教育普及協会

厚底靴と交通事故

事故の概要

日曜日の深夜、Aさん(25歳、女性)は、友人のBさんを軽自動車の助手席に乗せて、県道を走行していた。緩やかな右カーブにさしかかったときに、運転操作を誤り、道路左側にあった案内標識の柱に衝突した。この事故により、Aさんは重傷を負い、助手席に乗っていたBさんは死亡した。

事故の原因

Aさんが、運転操作を誤ったことが、この事故の原因である。現場にはスリップ痕がなく、Aさんが急ブレーキを踏んだ形跡はなかった。Aさんの話によると、ブレーキを踏もうとしたが、履いていたブーツがひっかかってブレーキが踏めなかったという。Aさんは、底の厚いブーツを履いて運転していた。

この事故から学ぶこと

最近、若い女性の間で、底の厚い靴やブーツが流行している。底の厚い靴を使って、ペダル操作や障害物の回避実験を行ったところ、底の厚い靴を履いた場合は、運動靴を履いた場合に比べて反応時間や停止距離が3~8%長くなることが分かった。交通事故になるかどうかは、紙一重であることも多いので、この差は小さいとは言えない。車を運転するときは、運転操作に適した靴で運転するようにしたい。なお、実験に関する詳しいことは、交通事故総合分析センターホームページ(http://www.itarda.or.jp)、またはジャフメイト(1・2月号)を参照されたい。

No.407 2000年 3月号

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