一般財団法人日本交通安全教育普及協会

自転車に乗るときは安全な通行方法で

事故の概要

平日の夜遅く、塾から家に帰る途中、中学生のA君は、自転車で走行中に道路の向こう側へ渡ろうとしていた。ちょうどそのとき、A君の進行方向の反対方向から、Bさんの運転する乗用車が走ってきた。BさんがA君の自転車を発見するのが遅れたため、乗用車は自転車と衝突した。

事故の原因

Bさんが速度を出し過ぎていたうえ、前方をよく見ていなかったことが事故の原因である。事故が起きた道路の制限速度は時速40Kmであったが、A君を発見する直前、Bさんの車は時速70Kmで走行していた。事故が起きた場所は登り坂の頂上付近であり、乗用車からは、前方の安全を確認するのが難しかったと考えられる。このような場所では速度を落として通過すべきである。 A君の行動にも問題がなかったわけではない。登り坂の頂上付近には横断歩道があった。横断歩道がある場所は、坂の両側からも見やすい場所である。乗用車が自転車と衝突した場所は、横断歩道から約10mの地点であった。もし、A君が、安全な場所で横断していれば、事故に巻き込まれなかった可能性もある。

この事故から学ぶこと

無謀運転の乗用車がいつ走ってくるかわからない。なるべく安全な方法で道路を通行し事故に巻き込まれないようにすることが賢明である。自転車通行可の歩道があるときは歩道を走り、車道を走るときは左側を走る。また、道路を横断するときは安全な場所で横断するなどの当たり前の習慣が重要である。

No.414 2000年 10月号

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