一般財団法人日本交通安全教育普及協会

進路変更時の安全確認

事故の概要

普通トラックを運転するAさんは、取引先に荷物を届けるために、トラックを道路左側に停車させようとしていた。時速20Kmに減速し、サイドミラーを使って後方を確認したところ、後方から接近する車両は見えなかった。Aさんは、方向指示器を出したが、駐車車両があったので、しばらく直進してからハンドルを左にきった。このとき、Bさんの二輪車が、Aさんのトラックのすぐ後方に接近していた。Aさんのトラックの側面にBさんの二輪車が衝突した。

事故の原因

Aさんが、後方を確認しないで、左に進路を変更したことが事故の原因である。安全確認をしてから、少し時間をおいて車線変更を行っているから、Aさんは、もう一度安全確認を行うべきであった。 また、前方に左ウインカーを出して低速で走行しているトラックがあったにもかかわらず、トラックの左側を追い越そうとしたBさんの行動にも問題があった。

この事故から学ぶこと

進路を変更するときに、後方の安全確認は非常に重要である。なんらかの理由により、安全確認の直後に進路変更できない場合は、ハンドルを切る直前に、安全確認をもう一度行う必要がある。運転者にとって、ほとんど時間が経過していないように思えても、その間、周囲の状況が変化し、危険な場面に変わっている可能性がある。 また、他の車両が同じ速度で併走しているときなどは、ミラーの死角に車が入ってしまうことがあるので、ミラーだけではなく、目視による安全確認が必要である。

No.415 2000年 11月号

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