カーナビ使用中の事故
事故の概要
高速道路のパーキングエリアで昼食を済ませたAさんは、自分の車に戻ろうとしていた。駐車場を横断中に、1台の車が接近してきたが、この乗用車は停車してAさんに進路を譲ってくれたので、Aさんは横断を続けた。そのとき、もう1台の乗用車が停止した乗用車の脇からAさんのほうに接近してきた。この車の運転者であるBさんは、カーナビゲーションの画面を注視していて、横断しているAさんに気がつかなかった。助手席乗員が「危ない」と叫んだのを聞いて、Bさんは、あわててブレーキを踏んだが、間に合わず、Aさんと乗用車は衝突した。
事故の原因
Bさんが、カーナビの画面を見ていて脇見をしていたのが事故の原因である。高速道路のパーキングエリアは、車から降りてくる人や、休憩が終わって車に戻る人が多くいる場所であるから、当然、歩行者に注意しながら走行すべき場所である。不用意にカーナビを注視していたAさんの過失は大きいといえる。
この事故から学ぶこと
21世紀には、自動車に搭載される情報機器が増えると予想される。目的地の情報や渋滞の情報等が情報機器により提供され、現在以上に便利になるだろう。しかし、情報機器の使い方を誤ると交通事故の危険性が高くなる。運転者に情報を伝える安全な方法を考案することが情報機器と車を開発する側の課題となるだろう。運転者の側は不用意に機器を操作したり、画面を注視することにより、脇見運転や漫然運転と同じ状態をつくり出さないように注意すべきである。
No.417 2001年 1月号
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