一般財団法人日本交通安全教育普及協会

公園の前で発生した子どもの自転車事故

事故の概要

平日の午後、Aさんは、会社から得意先に行こうと、会社の前の道路に駐車していた車に乗り込んだ。バックミラーで後方を見ながら、車をスルスルと発進させたところ、なにかにぶつかった衝撃を感じて、Aさんは急ブレーキを踏んだ。Aさんの四輪車が衝突したのは、自転車に乗っていたBちゃん(6歳)であった。Bちゃんは、道路を横断しようとしていたところであった。この事故により、Bちゃんは、重傷を負った。

事故の原因

Aさんが、前方をよく見ないで車を発進させたのが事故の原因である。Aさんは車に乗り込んだときに、一度前を見ていた。前方は安全だと思い、バックミラーを見ながら車を発進させたらしい。本来は、後方を確認したうえで、もう一度前を見て車を発進させるべきである。事故が発生したのは、公園の前の道路で、しかも横断歩道上であった。子どもの横断が予測できる場所であり、Aさんの状況判断には大きな問題があった。また、Bちゃんも、自動車のほうを、よく見ていなかったらしい。

この事故から学ぶこと

最近では、公園の周辺や駅前など、歩行者の通行が多い場所では、歩道等の安全施設の整備が随分進んできた。しかしながら、環境が整備された場所でも、その場所を通行する運転者や歩行者等が安全な行動をしなければ、事故はたやすく起こってしまう。運転者と歩行者の両方が、油断のないように行動することが大切である。また、安全に見える場所でも危険な箇所は必ずあるので、そのような場所ではとくに注意が必要である。

No.420 2001年 4月号

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