渋滞と危険予測
事故の概要
平日の昼間、乗用車を運転していたAさんは、市街地のやや広い道路を横切ろうとしていた。この道路には、渋滞のため車両が列をつくって停車していた。Aさんが走行してきた道路に出入りする車が多かったため、停車している車両は、交差点のところで、車が通行できるように間隔をあけて停車していた。Aさんは、停車している車両の間を通り、向こう側の車線を横断しようとした。ちょうどそのとき、向こう側の車線の左側から、B君が運転する二輪車が走行してきた。Aさんは、二輪車に気づくのが遅れ、2台は衝突した。
事故の原因
Aさんが、反対車線の車の通行をよく確かめないで、道路を横断しようとしたことが事故の原因である。向こう側の車線を車両が走行してくることは、十分に予測できる場面であったから、Aさんは、向こう側の車線の状況に、十分に注意すべきであった。
この事故から学ぶこと
交通量が多い道路などにおいて、渋滞で停車している車両や、駐車している車両があって、安全確認がしにくい場合がある。このような場所を通行するとき、よく見えないが大丈夫だろうと考える、安全確認を面倒だから省略する等の判断は危険である。安全確認がしにくい場所であるからこそ、危険予測を十分に行う必要がある。また、自分が優先側の道路を走行しているときも、止まっている車両の間から、車両や歩行者が出てくることを予測しながら走行すべきである。
No.422 2001年 6月号
一覧へ戻る