信号無視による中学生の自転車事故
事故の概要
平日の夕方、中学生のA君は、自転車で家に帰る途中であった。後ろには、友達のB君が乗っており、2人乗りで市街地を走行していた。A君たちは、片側2車線の道路と3車線の道路が交差する大きな交差点に接近した。信号は赤だったが、A君は横断できると判断し、横断を開始した。ちょうどそのとき、Cさんが運転するワゴン車が、A君の左方向から接近してきた。Cさんは、前方を横断するA君たちの自転車に気がついて、急ブレーキをかけたが、間に合わなかった。2台は衝突し、A君は死亡、後ろに乗っていたB君は重傷を負った。
事故の原因
A君が、赤信号にもかかわらず、交差点を横断しようとしたことが事故の原因である。現場の交差点は交通量がやや多く、信号無視の行為は無謀と言わざるをえない。事故のとき、この交差点の中央付近には、大型トラックが右折待ちのために停車していた。大型トラックが、ちょうど、A君とCさんを結ぶ線上に位置していたため、A君とCさんは、衝突直前まで、互いに相手を発見することができなかったと考えられる。
この事故から学ぶこと
気軽に利用でき、遠出を可能にする自転車は、中学生にとって便利な乗り物である。自転車に乗り慣れているせいか、中には、危険な乗り方をする中学生が少なくない。自転車は、構造上、衝突したときに乗員の安全を守る性能をほとんど持っていない。自動車と自転車が衝突すると、自動車の乗員は全くの無傷でも、自転車の乗員は、被害が大きくなる。衝突したときに、自分が痛い目にあわないためにも、安全な乗り方をすべきである。
No.425 2001年 9月号
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