ベビー用クーハンを使用中の交通事故
事故の概要
Aさん(30歳)は、乗用車を運転して実家から自宅へ帰る途中であった。助手席には、ベビー用クーハン(カゴ)を置き、4ヵ月になる女の子をクーハンの中に寝かせていた。直線道路を時速約50㎞で走行していたところ、250㏄の自動二輪車が、センターラインを越えて前方から走ってきた。二輪車は自分の車線に戻らず、2台は正面衝突した。シートベルトをしていたAさんは無傷であったが、女の子は、事故の衝撃でフロントガラスに衝突し、顔面を負傷した。
事故の原因
二輪車がセンターラインを越えて走行していたのが、事故の原因である。二輪車を運転していたのは高校生であったが、原付免許しか持っていなかった。 また、シートベルトをしていたAさんが無傷であったことから、乳児用シートを使用していれば、女の子はフロントガラスに顔面を衝突させずにすんだ可能性が大きい。
この事故から学ぶこと
チャイルドシートの着用が法律で義務づけられてから1年が経過した。着用率も徐々に向上しているが、まだ、着用率が高いとは言い難い。事故のときの衝撃は非常に大きく、速度が高い場合は、相手が二輪車であっても相当な衝撃がある。運転者が予想できない事故に、突然に巻き込まれることもある。チャイルドシートに関する正しい知識を多くの人に知ってもらい、着用率が向上するように努力を続ける必要がある。
No.426 2001年 10月号
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