大型車の直前直後の横断は危険
事故の概要
朝8時ごろ、小学2年生のA君は学校に行くために家を出発し、細い路地を抜けて往復2車線道路に出た。学校に行くためにはこの道路を横断する必要があった。A君がこの道路に出てきたとき、手前の車線は、信号待ちのための車が行列を作って止まっていた。A君は信号が変わって車列が動き出す前に横断しようと考え、大型バスの後ろから横断を開始した。ちょうどそのとき、反対側の車線をBさんが運転する乗用車が走ってきた。Bさんは、バスの後方からA君が飛び出してくるのを認めて、ブレーキを踏んだが間に合わず事故になった。この事故により、A君は全治3ヶ月の重傷を負った。
事故の原因
A君が反対側の車線の様子をよく確かめずに、バスの後方から道路を横断しようとしたことが事故の原因である。事故が起こった場所から左右に50m離れた地点には、信号機と横断歩道があった。A君は、最も危険な場所とタイミングを選んで横断を開始したわけである。また、Bさんが危険を予測した運転を十分に行っていなかったことも事故の原因である。事故の直前、Bさんは荷物の積み下ろしをするために、停車する場所を探して左前方を見ていたという。大型バスの後方から歩行者が横断を試みることを予測して運転していれば、事故は避けられた可能性もある。
この事故から学ぶこと
大型車の直前直後の横断は危険であることは以前から知られているのだが、いまだに、このような事故は発生している。歩行者と運転者の双方は直前直後の横断の危険性を再認識する必要がある。また、この事故は通学途上に発生した事故である。学校や家庭において、安全教育を行うことが重要である。
No.432 2002年 4月号
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