一般財団法人日本交通安全教育普及協会

近所の人同士の交通事故

事故の概要

平日の夕方、大学生のAさんは、アルバイトに行くために乗用車で自宅を出発した。出発してすぐに、信号機のない交差点に差し掛かった。その交差点はAさんのほうに一時停止の標識があったが、交差しているもう一方の道路の幅員は狭く、車の通行が少ない交差点だったので、Aさんは減速しただけで一時停止せずに通過しようとした。ちょうどそのとき、Aさんの右側から、Bさんの自動二輪車が交差点に進入してきた。BさんはAさんの乗用車に気づき、急ブレーキをかけたが間に合わず、自動二輪車は乗用車の右側面に衝突した。

事故の原因

Aさんの進行方向に向かって右側には樹木が茂っており、見通しが悪かった。注意して通行すべき交差点であったにもかかわらず、Aさんが、十分な安全確認を怠り、一時停止をしなかったことが事故の原因である。

この事故から学ぶこと

事故の起こった交差点から、Aさんの自宅までは約50m、交差点からBさんの自宅までは約20mであった。2人ともこの交差点を毎日通行していたとのことである。 自宅に近い場所では、緊張感や危機感が薄れがちであると考えられるが、自宅近くで発生する事故も多い。通り慣れた道でも油断せずに通行することが大事である。家族や近所の人と、近くの道路の通行方法を話し合うのもよいだろう。自分や家族が知らず知らずのうちに危険な行動をしていないかを、時々チェックするとよい。

No.440 2002年 12月号

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