大型車の幅寄せにより発生した高速道路上の事故
事故の概要
日曜日の朝、Aさんは友人3人を自分の車に乗せて、小雨の中、高速道路を走行していた。Aさんが走行車線を走行していると、追い越し車線を走ってきた大型トラックが、Aさんの乗用車を追い越し、Aさんの前で走行車線に戻ろうとした。Aさんは抜かれたくないと一瞬思って、速度を上げ、大型トラックに並んだ。これに対して大型車トラックの運転者は、警告のつもりでハンドルをわずかに左に切った。慌てたAさんがハンドルを左に回したところ、乗用車はスリップし、道路左側のガードパイプに衝突した後、道路を斜行して中央分離帯に衝突した。乗用車は大破し、Aさんは軽傷であったが、後席に乗っていた友人が車外に放出されて死亡した。
事故の原因
大型トラックの運転者が、幅寄せをしたことが事故の原因である。また、Aさんがトラックの進路を妨害したこと、慌てて不必要に多くの操舵を行ったことも事故の原因になったと言える。また、車外に放出された乗員はシートベルトをしていなかった。シートベルト非着用であったことが、事故の被害を大きくさせたと言える。
この事故から学ぶこと
高速道路では快適な走行が可能であるが、高速道路の走行は重大事故の危険と隣り合わせであることを忘れてはならない。ちょっとした不安全な行為が、思わぬ重大事故につながることがある。高速道路を走行するときは、不安全な行為をしないようにとくに注意したい。また、すべての乗員がシートベルトを着用しているかどうかを、運転者は常に確認すべきである。
No.441 2003年 1月号
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