若者による「遊び型」の事故
事故の概要
平日の深夜、A君は友人のB君を隣に乗せて、片側2車線の道路を走っていた。A君はB君と飲食店に行った帰りで、酒を飲んでいた。規制速度は時速50㎞の道路であったがA君は時速100㎞で走行していた。A君の乗用車は交差点に差しかかった。この交差点は右折レーンが設置されていたため、交差点の入り口と出口では中央分離帯の位置が異なっていた。A君はB君との話で盛り上がり、注意が散漫になっていた。A君の乗用車は、中央分離帯に車体の右前を引っかけた。速度が出ていたため、乗用車は横転し大破した。
事故の原因
A君が同乗者との話に夢中になり、運転操作を誤ったことで発生した事故であるが、A君が飲酒をし、規制速度を大幅に上回る速度で走行していたことが、事故の原因である。なお、A君は運転免許を取得して約4か月であった。
この事故から学ぶこと
若年人口の減少により、若者の事故は減少している。しかし、これは若者の事故が以前よりは目立たなくなったということであり、毎年多くの若者が、速度超過などの無謀運転が原因とする事故で死亡している。若者には、同年代の友人と夜間外出する傾向が目立ち、事故の多くはこれらの行動の途中に発生する「遊び型」の事故である。このような事故を起こす若者は、速度超過や飲酒運転などの危険性を十分に理解していないし、速度超過や飲酒運転がもたらす結果の重大性についての認識も低いようである。「遊び型」事故の危険性を教えるのは、社会以外にはあり得ない。家庭、学校、職場などが、交通事故の危険性を若者に責任を持って教育する必要がある。
No.443 2003年 3月号
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