一般財団法人日本交通安全教育普及協会

青信号で横断中に発生した自転車事故

事故の概要

平日の夜、職場から乗用車で帰宅途中であったAさんは、信号機のある交差点を右折しようとしていた。信号は青で、対向車がとぎれたので、右折を開始しようとしたところ、右折する先の横断歩道付近に歩行者がいるのを認めた。Aさんは、この歩行者が横断する前に右折できると判断し、Aさんは、右折を開始した。そのとき、歩行者がいた側の反対から、自転車に乗った中学2年生のB君が、道路を横断しようとして、右折するAさんの前に現れた。Aさんは、急ブレーキを踏んだが、間に合わずB君の自転車と衝突した。

事故の原因

Aさんが、横断歩道付近の安全を十分に確認せずに、右折をしようとしたことが事故の原因である。Aさんは、右折する先の横断歩道付近を気にしてはいたが、歩行者にだけ注意を奪われてしまった。一方、B君は、青信号に従って横断を試みたわけであるが、右左折してくる車がないかを確認してから横断すべきであった。

この事故から学ぶこと

青信号に従って、交差点を直進するときでも危険は潜んでいる。青信号は、「進め」ではなく、「進むことができる」を意味するものであるから、周囲の安全を確認してから進行すべきである。このことを、子どもにも教えたい。 また、この事故は夜間に発生しているが、夜間は、運転者から歩行者や自転車が見えにくいため事故が発生しやすい。暗くなる前に帰宅することも、交通事故に遭わないための有効な方法である。

No.454 2004年 2月号

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