目の病気と交通事故
事故の概要
平日の夜、Aさんは乗用車を運転し、高速道路を通行していた。高速道路は2車線で、Aさんは追い越し車線を走行していた。Aさんは走行中に目に違和感を感じたので、目をこすったりしたが、違和感が解消しないため少しの間だけ目を閉じた。Aさんが再び目を開けたところ、前を走行していた車が混雑のために減速していた。Aさんは、慌ててブレーキを踏んだが間に合わず、前車に追突した。
事故の原因
Aさんが、走行中に目を閉じたことが事故の原因である。自動車の運転では、視覚の役割は非常に重要である。とくに高速道路では、少しの脇見が重大な事故の原因となるため、常に前方の様子に気を配っておく必要がある。病気が原因などで、目の機能が低下した状態で車を運転することは危険である。
この事故から学ぶこと
目の病気は高齢者に多く、元気な高齢者であっても、本人が気づかないうちに目の病気が進行している場合がある。高齢者に多い目の病気には、水晶体が濁る白内障、視神経の障害が原因で生じる緑内障、糖尿病が原因で網膜の機能が低下することによる視力の低下などさまざまなものがある。目に異常を感じたら、放置せずなるべく早く専門医の診断を受けるのがよい。
No.459 2004年 7月号
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