一般財団法人日本交通安全教育普及協会

自転車の右側通行による事故

事故の概要

平日の夕方、A君は、自転車に乗って帰宅する途中であった。A君は、片側が2車線ある道路の右側を通行していた。前方から、二輪車が接近してくるのが見えたが、二輪車が自分を避けてくれると考え、A君は、そのまま直進した。ところが、二輪車を運転していたBさんは、脇見をしていてA君の自転車に気づいていなかった。2台は、互いに避けることをせずに接近し、そのまま、正面衝突してしまった。

事故の原因

A君が、道路の右側を通行していたことが事故の原因である。右側を通行していたのは、A君が帰宅を急いでいて、家に帰るには、右側を通行したほうが近道だったからだと考えられる。この道路の両側には、自転車通行可の歩道が設置されていたから、歩道を通行することもできたはずである。一方、運転中に脇見をしていた、Bさんの状況判断にも、大きな問題があったと言える。

この事故から学ぶこと

片側が2車線あるような、交通量も多く、幅員の広い道路では、右側通行の自転車が、自車に対向して走ってくることを、常に予測している運転者は少ないと考えられる。危険を予測していないと、発見が遅れがちとなり、発見しても急に対応できないことになる。事故になった場合、より大きな傷害を受けるのは自転車のほうである。ルールを守るということは、相手に発見してもらい、回避してもらう、という点でも大きな意味がある。

No.457 2004年 5月号

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