急な進路変更による事故
事故の概要
平日の夕暮れ時、Aさんは、片側2車線道路の走行車線を乗用車で通行していた。信号機のある交差点に近づいたところ、追越し車線に右折待ちの乗用車が停止しており、そのすぐ後ろに、もう1台の乗用車が停止しているのが見えた。この交差点は右折レーンがなかったので、後ろの乗用車は右折待ちの乗用車を避けて交差点を直進しようと、走行車線に車両の一部を乗り入れたところで停止していた。この交差点は左側に余裕があったので、Aさんは、道路の左側に寄れば、あまり速度を落とさずに、前方の乗用車を避けて通過できると考えた。このとき、Aさんの乗用車の左後方をBさんの原付が走行していた。Aさんが左に進路を変更したとき、Aさんの乗用車とBさんの原付は衝突した。
事故の原因
Aさんが、後方を十分に確認せずに急に進路を変更したことが事故の原因である。Aさんがこのような行動をとったのは、減速したり、停止するのは面倒だという気持ちがあったからだと考えられる。Bさんの原付が乗用車の死角付近を走行していたことに加えて、事故当時は夕暮れ時で、よく見ないと、後方の安全が確認できなかったことも事故の発生に影響したと考えられる。
この事故から学ぶこと
四輪車の運転者は、進路を変更しようとする場合、ミラーだけでなく目視で、後方の二輪車や自転車の有無を確認する必要がある。後方の二輪車や自転車を見落とした場合にも対処しやすいように、進路変更はゆっくりと行うべきである。また、二輪車の運転者は、四輪車の死角付近に近づくことのないよう、速度を調節するなどして適切な位置を走行すべきである。
No.476 2005年 12月号
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