一般財団法人日本交通安全教育普及協会

運転中の急病による事故

事故の概要

平日の午前中、Aさんは釣りに行くために原付を運転し、片側2車線道路を通行していた。Aさんは、信号機のある交差点を青信号で直進したが、交差点の先に停車していた乗用車の後部に追突し、転倒した。

事故の原因

Aさんが乗っていた原付は、前のカゴが変形した程度で、ほとんど損傷していなかった。原付の損傷の様子から、Aさんが車両に追突した速度は、時速10㎞程度と考えられた。Aさんの身体の様子を詳しく調べたところ、Aさんは事故直前に、くも膜下出血を起こし、意識障害と呼吸不全が生じた結果、運転が不可能になり、事故に至ったと推定された。

この事故から学ぶこと

意識障害や意識喪失を及ぼす病気には、くも膜下出血のほかにも、脳血管の血栓による虚血、糖尿病などによる低血糖症状などが知られている。運転中にこれらの症状が急に起きると危険である。事故を起こして自分が死傷するだけでなく、他人を死傷させてしまう場合もある。日ごろの健康管理には十分に注意し、心配な場合は、運転を控えるべきである。とくに、長距離を運転するなど、負担が大きい運転をする前には、注意が必要である。

No.477 2006年 1月号

一覧へ戻る