後部座席の幼児にもチャイルドシートを
事故の概要
Aさんはワゴン車に家族を乗せて郊外の山道を走っていた。時速約60kmで右カーブにさしかかったところ、路面が雪で滑りやすくなっていたためにタイヤがスリップした。ワゴン車は道路左側の斜面に衝突した後に横転して停止した。Aさんと助手席の乗員はシートベルトをしていてケガはなかったが、後部座席に乗っていた母親と、この母親に抱かれていた1歳になる女の子が衝突の衝撃で車外に放出された。母親は重傷を負い、女の子は頭を強く打って死亡した。
事故の原因
Aさんがカーブにおいて、タイヤをスリップさせたことが事故の原因である。路面が滑りやすかったにもかかわらず、速度を落とさずにカーブを曲がろうとしたことがスリップの原因であると考えられる。 また、後部座席の母親と女の子がシートベルトやチャイルドシートをしていなかったことが、被害の程度を大きくしたと考えられる。
この事故から学ぶこと
最近、ワゴン車に乗る人が増えている。ワゴン車に家族を乗せて買い物やレジャーに出かける光景をよく目にするところである。運転席と助手席の乗員はシートベルトをしていても、後部座席の子どもには、チャイルドシートを着用させず、大人に抱っこさせたり、席に座らせずに遊ばせておく人も多いようだ。後部座席は、チャイルドシートやシートベルトを着用しなくても安全だと考えている人もいるようだが、それは全くの誤りである。この事例のようにチャイルドシートを着用していない子どもの被害が大きくなる場合が少なくない。子どもを乗車させるときには必ずチャイルドシートを着用させたいものである。
No.396 1999年 4月号
一覧へ戻る