一般財団法人日本交通安全教育普及協会

二輪車の被視認性と事故

事故の概要

高校生のA君は、400ccの自動二輪車に乗って、片側1車線の道路を走行していた。駐車場のある店舗に近づいたとき、A君は、右のウインカーを出しながら減速しつつある対向車(乗用車)を発見した。A君は、この乗用車が店舗の駐車場に入るために右折しようとしているのだと理解したが、乗用車は自分が通り過ぎてから右折するものと判断し、減速せずに乗用車の前を通り過ぎようとした。しかし、乗用車を運転していたBさんは、A君の自動二輪車を見落としており、安全に右折できると考えて右折を開始した。A君は、乗用車が右折を開始したのを見て、慌てて急ブレーキをかけたが間に合わず2台は衝突した。

事故の原因

Bさんが、対向車をよく確認せずに右折を開始したことが事故の原因である。一方、A君が、乗用車の運転者は自分の二輪車をよく見ていて、自分が通り過ぎるまで右折しないと誤った判断をしたことも事故につながったと考えられる。

この事故から学ぶこと

二輪車は、四輪車に比べて車体が小さいので、四輪車から見落とされやすい傾向があるようだ。二輪車からは相手の四輪車がよく見えていても、四輪車の運転者が二輪車に気づいていないこともある。二輪車を運転する場合は、自分が相手から見られているかを注意しながら運転するべきである。

No.397 1999年 5月号

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