一般財団法人日本交通安全教育普及協会

雨の日の夜間に発生した歩行者事故

事故の概要

Aさん(32歳)は、軽自動車を運転していて、交差点を右折しようとしていた。対向車が来ないことを確認して右折したところ、右折した先の横断歩道上に、横断中の歩行者がいることに気がついた。歩行者に気づいたのが直前であったため、停止することができず、歩行者と衝突してしまった。事故が発生したのは、午後7時頃で、辺りは暗くなっていた。また、事故発生当時は強い雨が降っていた。

事故の原因

Aさんが、右折する先の横断歩道上に十分な注意を払っていなかったことが事故の原因である。事故発生当時、現場は、暗く、雨が降っており、視認性が悪い状況であった。沿道にはコンビニエンスストアがあり、店の照明が路面に乱反射していたと考えられる。 歩行者がいた道路側には植栽があったが、運転者から見て、歩行者が真っ暗な背景にとけ込んでいて発見しにくい状況であったと考えられる。このように、悪条件が重なっていたため、運転者はいつも以上に前方に注意して走行すべき状態であったと考えられる。

この事故から学ぶこと

雨の日の夜間は、視認性が悪く危険な状況であるといえる。このような場合には、前方の状況にいつも以上に注意を払って走行する必要がある。とくに、歩行者や自転車は発見しにくくなるため、交差点や横断歩道の周辺を通行するときは注意しなければならない。また、雨が激しい場合、歩行者や自転車も周囲の状況への警告がおろそかになるようだ。歩道がない場所を通行するときや、道路を横断するときなどには十分注意したい。

No.404 1999年 12月号

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