自己流の安全確認は危険
事故の概要
夕方遅く、中学生のA君は自転車に乗って家に帰る途中であった。センターラインのない、やや狭い道路を走行中、反対側に渡ろうと進路を右へ変えようとしていた。そのとき、Bさんの乗用車がA君のすぐ後ろに接近していたのだが、A君は乗用車の接近に気づかなかった。A君が自転車のハンドルを右へ切った直後に、自転車と乗用車は衝突した。
事故の原因
A君が、後方をよく確認しないで道路を横断しようとしたことが事故の原因である。A君は、車のライトで車が接近することがわかるので、日ごろから車のライトを安全確認の手がかりとしていたらしい。当日は雨が降っていて、車のライトが届きにくかったせいか、Bさんの乗用車が近づいたのがわからなかった。 Bさんは、自転車に注意はしていたが、自転車が直進すると思い込み、危険はないと判断し、減速せずに自転車の横を通過しようとした。事故が発生した道路は、やや狭く、自転車と乗用車の間隔はそれほど広くとれないから、減速するなどの措置が必要であったと考えられる。
この事故から学ぶこと
中学生は、移動の手段として自転車を使うことが多いためか、この年齢層は自転車事故が多い。自転車で道路を横断するとき、A君のように斜めに道路を横断する光景をよく見るが、これは感心しない横断方法である。また、道路を横断するときは、面倒がらずに目視による安全確認を必ずしてほしい。A君のように自己流の安全確認は危険である。
No.412 2000年 8月号
一覧へ戻る