一般財団法人日本交通安全教育普及協会

高校3年生による四輪車事故

事故の概要

平日の未明、高校3年生Aさんは、軽自動車を運転して、信号機のある交差点を右折しようとしていた。Aさんは,対向して直進してくるトラックに気づいていたが、先に右折可能であると判断し、右折を開始した。しかし、このトラックは、Aさんが考えていたより早く交差点に接近してきた。2台は衝突し、Aさんは重傷を負った。

事故の原因

Aさんが、対向車の速度と対向車までの距離に関する判断を誤ったことが事故の原因である。Aさんは、右折する先の道路を見ていて、対向車への注意が十分でなかったらしい。Bさんは、Aさんの軽自動車が右折しようとしていることに気づいていたが、減速等の措置をとらず、制限速度を上回る速度で交差点に進入した。Bさんの状況判断にも問題があったといえる。

この事故から学ぶこと

右折車と直進車の交通事故は、最も典型的な交差点事故のパターンである。このタイプの事故では、直進車の速度が高い場合が多く、重大事故になりやすい。夜間においては、距離や速度の判断がしにくくなるので、昼間以上に慎重な判断が必要となる。 高校3年生は、この時期、新たに免許を取得して、自動車を運転しはじめる生徒も多い。運転免許保有者当たりの人身事故件数(事故率)を比較すると、16~19歳は、全年齢の約2.5倍と高い。免許取得したての高校3年生が事故を起こしたり、事故に巻き込まれる危険性は非常に高いといえる。 卒業を目前にした生徒が、交通事故にかかわることのないように指導したいものである。

No.419 2001年 3月号

一覧へ戻る