一般財団法人日本交通安全教育普及協会

高校生と原付事故

事故の概要

平日の夜間、高校生のA君は原付を運転し、住宅街の細い道路を走行していた。やや太い道路と交差する交差点の手前に差しかかったところ、A君は、左右の安全確認を行わず、減速しないまま、交差点に進入した。ちょうどそのとき、Bさんが運転する乗用車が交差点に進入してきた。2台は出会い頭に衝突し、A君は路面で頭を強く打ち、重傷を負った。

事故の原因

A君が、左右の安全確認をしないで交差点に進入したことが事故の原因である。A君が走行していた道路は幅員が4mで、交差する道路の幅員は7mあったから、A君は減速し、交差する道路から車が来ないかを確認してから交差点に進入すべきであった。 また、A君は、ヘルメットを持っていたが、事故当時は、ヘルメットを着用せず原付に積んでいた。ヘルメットを着用していれば、より軽い傷害ですんだ可能性がある。

この事故から学ぶこと

以前よりは、少なくなったとは言え、原付乗車中に事故に遭う高校生は、相変わらず大勢いる。原付事故の防止は、高校生にとって重要な課題である。 万一、事故に遭ったときのために、ヘルメットの着用は非常に重要である。ヘルメットを車体に積んでいるだけで着用していない、着用はしていても正しくかぶっていない例が多い。原付は便利な乗り物であるが、車両の特性上、四輪車等と衝突した場合、運転者が負傷する危険がどうしても高くなる。原付の特性をよく理解し、ヘルメットを正しく着用するようにしたい。

No.421 2001年 5月号

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