一般財団法人日本交通安全教育普及協会

道路工事場所付近の横断は危険

事故の概要

晴天の昼ごろ、Bさんは子どもを病院に連れて行くために4WDのワゴン車を運転していた。片側1車線の道路を通行していたところ、道路工事のために片側交互通行になっている箇所にさしかかった。自車線側が通行する順番であったため、Bさんはそのまま自分の車線を走行し、もう少しで工事区間が終わるところまで進行した。ちょうどそのとき、反対車線に停止していた工事車両の後方から、道路を横断しようとしていたA君がBさんの車の前に現れた。Bさんは急ブレーキをかけたが間に合わず、ワゴン車とA君は衝突した。

事故の原因

Bさんが横断歩行者の存在を十分に予測していなかったことが事故の原因である。工事車両の横を通過するときに、Bさんは速度を十分に落としていなかった。A君が車から視認されにくい場所から横断を試み、接近する車の確認を十分にしていなかったことも事故の原因である。

この事故から学ぶこと

道路工事のため、車線が規制されている場所ではさまざまな危険が存在する。路面が荒れていたり、工事用車両や作業している人が道路上に急に出てきたり、思いがけない横断歩行者があったりする。危険を感じた前車が急停止することもある。このような場所を通行するときには、危険を予測しながら、注意を払って通行する必要がある。自車が通過する順番になったからといって、急いで通過しようとするのは危険である。 また、このような場所は片側車線だけ車が通行していて、時々、交互通行のために車の通行が途切れる場所であるため、子どもの目から見ると横断しやすい場所と見えるのかもしれない。子どもの誤った認識を修正し、安全な通行ができるように子どもを教育することは、大人の責任である。

No.435 2002年 7月号

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