一時不停止による高齢者の自転車事故
事故の概要
平日の午後、Aさんは仕事で会社の車を運転し、市街地の細い道路を通行していた。Aさんが通行していた道路は、幅員が4.5mの裏通りで、幅員の狭い道路と交差する十字路が連続していた。Aさんが、交差点のひとつを通過しようとしたとき、左側から、自転車に乗ったBさんが飛び出してきた。Aさんはブレーキを踏んだが間に合わず、Aさんの車と自転車は衝突した。
事故の原因
Bさんが通行してきた道路には一時停止の標識があった。自転車に乗っていたBさんが一時停止をしなかったことが、事故の原因である。一方、Aさんが、進行してきた道路も道幅が狭く、事故が発生した場所のような小さな交差点が連続していた。歩行者や自転車の通行も多かった。Aさんは、自転車や歩行者の飛び出しにもっと注意して走行すべきであったと言える。
この事故から学ぶこと
自転車乗用中に事故に遭う高齢者は非常に多い。とくに、この事例で紹介したように、細い道路が網の目のように交差している市街地では、一時不停止による自転車事故が多発している。このような場所では、自分が通行している道路に、一時停止の標識や標示があるかどうかを、常に注意しながら通行する必要がある。また、一時停止がない側の道路を通行するときも、一時停止をしない自転車や車が不意に現れることを警戒しながら、交差点を通過すべきである。
No.437 2002年 9月号
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