一般財団法人日本交通安全教育普及協会

チャイルドシートと後席乗員のシートベルト

事故の概要

休日の午後7時ごろ、Aさんは乗用車を運転して片側2車線の道路を通行していた。Aさんは、交差点を右折するために、交差点の中央付近で停車した。対向の直進車を何台かやりすごした後、対向車は右折待ちの車だけとなった。Aさんは、直進車は来ないと判断し、右折を開始した。しかし、そのとき、Bさんの乗用車が、交差点を直進しようと交差点に進入してきた。Bさんは、Aさんが右折しようとしているのを見て、急ブレーキをかけたが間に合わず、2台は衝突した。AさんとBさんはシートベルトをしていて無傷であったが、Aさんの乗用車の後席に乗っていた、男の子と、その母親はチャイルドシートやシートベルトをしておらず、2人とも頭と顔を窓ガラスにぶつけて大ケガをした。

事故の原因

Aさんが、対向車の有無をよく確認しないで、右折を開始したことが事故の原因である。Aさんは、右折した先の横断歩道上に歩行者がいないかを気にしていたという。また、後席の乗員がチャイルドシートやシートベルトをしていなかったことが、事故の被害を大きくさせた。チャイルドシートやシートベルトをしていれば、後席の2人はケガをせずに済んだ可能性も高い。

この事故から学ぶこと

運転者は、交通事故を避ける努力をするとともに、万一の場合に被害を軽減する努力をする必要がある。この事例で言えば、交差点を安全に右折することも重要だが、すべての乗員にシートベルトやチャイルドシートを着用させることも重要である。衝突の衝撃から乗員の安全を守るためには、シートベルトやチャイルドシートにより、身体をシートに拘束することが最も確実な方法である。

No.438 2002年 10月号

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