飛び出しによる小学生の自転車事故
事故の概要
休日の朝、A君は自転車に乗って遊びに行く途中だった。家を出発してすぐのところに、片側1車線の県道があり、目的地に行くには、この道路を横断する必要があった。いつも通行している場所であったが、A君は早く目的地に着きたかったため、左右を確かめずに道路を横断しようとした。ちょうどそのとき、Bさんが運転する乗用車が交差点に接近してきた。Bさんは、A君の自転車を認めたが、交差点の直前であったため、回避動作を行えなかった。乗用車と自転車は衝突し、A君は頭部に重傷を負った。
事故の原因
A君が、左右を確かめずに道路を横断しようとしたことが事故の原因である。一方、事故があった交差点は小学校の近くにあり、オーバーハング式の横断歩道の標識が設置されていた。また、ミラーが設置されていて、路地と県道の両方から、交差車両の有無が確認できるように工夫されていた。子どもが飛び出す可能性が予測できる交差点であったが、乗用車を運転していたBさんは、ぼんやりしていて、危険を予測した運転をしていなかったと言える。
この事故から学ぶこと
左右を確認してから道路を横断することは、子どもにもわかっているはずであるが、遊びに夢中になったり、慌てたりしていると、子どもは安全な行動を忘れてしまうことが多い。事故の怖さと、安全な通行の方法を繰り返し教える必要がある。 一方、子どもが飛び出す可能性がある交差点は、標識や路面標示による警告があることが多い。車を運転する人には、標識や標示に気を配り、事故を回避する運転を行う責任がある。
No.446 2003年 6月号
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