一般財団法人日本交通安全教育普及協会

経路不案内による高齢者の事故

事故の概要

平日の夜間、Aさんは軽乗用車を運転し、片側2車線の道路を走行していた。信号機がある交差点でAさんは右折レーンに入ったが、そこでAさんは、この道路を直進するはずだったことに気がついた。Aさんは直進レーンに移ろうとして慌ててハンドルを左にきったところ、Aさんの軽乗用車は進路を変更しきれず分離柵に衝突した。この事故によりAさんが死亡し、助手席に乗っていたAさんの友人は重傷を負った。

事故の原因

Aさんが運転操作を誤ったことが事故の原因である。この道路は初めて通行する道路で、Aさんは目的地までの経路や道路の状況を心配しながら運転していたらしい。事故の当日は雨で、視認性が悪かった可能性もある。なお、Aさんには30年以上の運転経験があり、この事故の前までの数年間に事故や違反の経験はなかった。

この事故から学ぶこと

経路のことを心配していると、注意力が低下し運転に必要な判断や予測が的確にできない恐れがある。その結果、思わぬ事故を引き起こすこともある。これは、すべての運転者にあてはまるが、運転経験が少ない人や高齢者は、とくに注意が必要である。目的地までの経路は出発前に確認しておき運転に集中できるように準備をしておくことが、運転前に行うべき安全運転の準備である。

No.450 2003年 10月号

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