チャイルドシートを使用する習慣について
事故の概要
平日の午後、Aさんは買い物に行くために乗用車を運転し、片側1車線の道路を通行していた。Aさんは何台かの対向車とすれ違ったが、対向車の一台が突然にセンターラインを超えて、Aさんの進路上に出現した。Aさんは驚いてブレーキをかけるとともに道路の左側に寄り、この乗用車を回避しようとしたが対向車と衝突した。Aさんは足を骨折し、後部座席に乗っていた7歳と3歳の子どもが顔や肩を負傷した。
事故の原因
対向車を運転していたBさんが、センターラインを超えたことが事故の原因である。事故が発生した場所は、直線で見通しも良かったが、Bさんは事故の直前に脇見をしたために、ハンドル操作を誤ったらしい。 Aさんの乗用車に乗っていた2人の子どもは、チャイルドシートを使用していなかった。顔や肩の負傷は、車内のいずれかの場所に衝突したことによるものと考えられることから、チャイルドシートを使用していれば、負傷をせずにすんだか、より軽い負傷ですんだ可能性がある。
この事故から学ぶこと
チャイルドシートの使用率を調査した結果によると、近年の使用率は50%前後で推移していて、高いとはいえない水準である。年齢別にみると、1歳未満の使用率は比較的高いが、6歳に近づくと低くなる傾向がある。 子どもは、チャイルドシートを使用する習慣がつけば、車に乗るときに自分からチャイルドシートにすすんで座るようになる。赤ちゃんのころからチャイルドシートを使用している子どもの中で、チャイルドシートに座ることを嫌がる子どもは少ないはずである。年齢が高くなるほど使用率が低くなるのは、親が子どもの成長に合わせたチャイルドシートを用意していないか、後部座席の大人がシートベルトをしていないからではないだろうか。自動車が衝突したときの安全について正しい知識と、正しい行動を子どもに教えるのは大人の責任である。
No.474 2005年 10月号
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