一般財団法人日本交通安全教育普及協会

その7.事故防止、まずは愛車の点検・整備から(2年)

指導項目

1.自転車点検・整備の必要性 2.自転車の構造 3.点検箇所と点検の仕方

指導のねらい

自転車の点検・整備の大切さについて理解させ、点検・整備ができるようにさせるとともに、点検・整備の習慣化を図る。

-進め方-

1.自転車点検・整備の必要性

◆学習内容

・自転車の点検・整備の必要性について考える。 →整備不良車による事故やヒヤリ体験の発表を見聞し、整備不良の危険を理解するとともに、自転車乗用における安全の三大要素の1つが自転車自体であることを知る。

●指導上の留意点

・自転車の点検・整備により事故の発生が防止できることを認識させ、その必要性を確認させる。 《安全の三大要素》  ①乗り手  ②自転車  ③環 境

2.自転車の構造

◆学習内容

・自転車の各部の名称と働きについて理解する。

●指導上の留意点

・自転車各部の働きについては、主なものについて簡単に触れて理解させる。

3.点検箇所と点検の仕方

◆学習内容

・自転車点検箇所と点検の仕方を理解し、実際に点検を行う。 →グループで自転車のどの箇所を点検・整備する必要があるか話し合う。 →教師の模範点検により点検項目と方法を知る。 →グループに分かれ点検実習を行い、点検カードに記入する。 →日常点検に対する決意をまとめ、具体的な工夫点を考え発表し合う。

●指導上の留意点

・日常点検と定期点検を明確にし、実習は日常点検だけとする。 ・グループ内で協力し、指差呼称しながら点検させる。また、みんなで問題点を出しながら確認するようにさせる。 ・継続して点検が実施できるような決意、工夫点を考えさせる。 -日常点検で大事な箇所とポイント- 名称点検のポイント ◆フレーム:見ただけで分かる変形、折損のないこと、ハンドルが片切れしないこと。 ◆サドル/ハンドル:・両手で力を入れて動かそうとしても動かないようにしっかり固定されていること。 ・前軸と直角に取り付けられ、しっかり固定されていること。 ・ステムの下端は少なくとも6cmホークステムに入っていること。 ◆ペダル:乗った時、足に感じるペダル軸に曲がりがないこと。 ◆変速装置:ゆるい上り坂でレバーをゆっくり動かして、ガリガリいわず作動すること。 ◆反射部壊れていないこと。汚れていないこと。 ◆ブレーキ:・前ブレーキをかけ、力いっぱい前へ押しても、前輪が回らないこと。 ・後ろブレーキをかけ、ペダルの上に立って強く踏んでも、後輪が回らないこと。 ◆チェーン指でチェーンをなでてみた時、カシメ部が固くて曲がりにくいところがないこと。 ◆タイヤ:サドルに乗った時、タイヤの接地部の長さが6cm~10cmになっていること。 ◆ダイナモ:回転軸の延長がハブ軸に向いていてプーリーの側面がタイヤに当たっていること。 ◆ヘッドライト:夜間、前方10mの路上の障害物が見える明るさ、取り付け位置、角度であること。 ◆ベル:耳で聞いて、新品に近い作動状態にあること。

この指導事例は月刊誌「交通安全教育」の中の“教育現場ですぐに役立つ展開例”をもとに当協会においてインターネット向けに再編集したものです。詳しくは同誌1997年10月号をご覧下さい。

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